SHOTech Blog

プログラミングに関する記録です

HoloLens + Dynamics365 Guidesを改めて触ってみた

すみません、体調悪く書くのが遅くなりました。
HoloLens Advent Calendar 2019 2日目の記事です。

cloudblogs.microsoft.com

Previewの時に触ってたDynamics365 Guidesが2019年10月1日にGAしたので、改めて触りつつまとめようかと思います。

Dynamics365 Guidesについて

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de:codeの時のスライドですが、GuidesはDynamics365のビジネスアプリの一つとして位置づけられてます。

  • 定型業務:Guides
  • 非定型業務:Remote Assist

もともとはこのように切り分けられますが、実質Guidesはトレーニング向けですね。

www.youtube.com

プロモーションビデオを見てもトレーニング向けのコンセプトが強いことがわかります。

Preview版の時の話

Previewの時に触ってた時の記事はこちらに書いてるので省略します。

sy0690.hateblo.jp

sy0690.hateblo.jp

Preview版を触ったときにPowerBIのレポートが出力できなかった問題もバグだったことがわかり修正してもらえてます。(PowerBIのテンプレートをアップデートしてくれました)

community.dynamics.com

GA後の話

価格

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一番気になっていた価格ですが、1ユーザあたり¥7070円/月となったようです。

  • Remote Assist:1ユーザあたり¥7070円/月
  • Layout:1ユーザあたり¥10,330円/月

Layoutよりは安く、Remote Assistと同じという位置づけですが、ぱっと見1ユーザあたり1万円近くするというのは「数字だけ」見ると高く感じるのかなと思います。 ただ、個人的な意見ですが、実際に触ってみた感覚では「短期的」に使う場合はそれほど高くはないかなと思います。「長期的」な利用となるとランニングコストが高くなりそうだと思ってます。

  • 新人が加入した
  • 作業フローが変わった
  • 新製品を取り扱う

といったシーンでは非常に有効だと思いますが、毎日コンスタントに使用しないのであれば、使用率という意味ではコストに見合わなくなりそうだと思っています。
基本的にシナリオを描いてアンカーを設置するだけでコードは1行も書く必要がなく、数時間て1本できるため、同じものを独自アプリとして開発するコストと比べれば開発コストはほぼ0に抑えることができます。
ユーザごとにPowerBIのレポート出せますが、初めはHoloLensのデバイスに対してユーザを1つにしてランニングコストを抑えつつ使ってみるといいかなと思います。(IDの使いまわしは本当はよくないんですけどね)

インストール

Preview版からのアップグレードについてはまず最新版のアプリを入れる必要があります。PCとHoloLensでそれぞれ更新します。
新規にインストールする場合も同じようにアプリをMicrosoftストアからゲットします。

Offfice365 管理センター、Dynamics365 管理センター、Power Platform管理センターと行ったり来たりしながらユーザにGuidesをアタッチしていきます。
Guidesはバックエンド側でCommon Data Serviceを使うため、Power PlatformでDBの作成が必要です。

残念ながらこのあたりの手順の煩雑さは変わりませんでした。
会社で末端の社員として働いている場合、管理センターは通常コントロール権限がないため運用部とか事業推進部とか会社によって呼び名は異なるでしょうが社内インフラを担ってる部門への作業依頼や、Guidesのサブスクリプション購入に伴う決済稟議などが必要なので、組織によってはひと手間もふた手間もかかってしまう部分じゃないかなと思いますが、最初の1回だけだと割り切ってやるしか今はなさそうです。

新しくなったところ

docs.microsoft.com

新しい機能はここにまとめられてますが、いくつかピックアップします。

サブスクリプションなしでデモが体験できる

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個人的に大きいなと思ったのは、サインインしなくてもHoloLensにアプリをインストールするだけでデモが使えることですね。
アプリを立ち上げるとサインインの選択肢の下に「Try the demo」という選択肢がありサブスクリプションを持っていなくてもアプリをインストールするだけでGuidesを体験することができます。これは非常にうれしいですね。 f:id:syota-y1989:20191204224047j:plain

テクスチャも貼られていて非常にいいデモです。言語が英語だったので日本語にローカライズしたいと思ったら、「HoloLens1をリセットして言語を日本語にすればいいよ」と @KamatMahesh さんに教えていただきました。ありがとうございました。

HoloLens1はどうしても言語の切り替えに「リセット」が必要なので手間がかかるのですが、HoloLens2からはwin10のようにスムーズに切り替えられるそうです。うれしいですね。早く実機が欲しいです。

UIがかっこよくなってる(個人的な感想です)

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f:id:syota-y1989:20191204230023j:plain サインイン後の画面の比較(上:Preview / 下:GA後)

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アンカー設置のUI(上:Preview / 下:GA後)

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アンカー(上:Preview / 下:GA後)
GA後のほうが濃淡がはっきりしていて見やすくなったと思います。

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アウトラインのUI(上:Preview / 下:GA後)

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ステップのUI(上:Preview / 下:GA後)

3Dモデルの対応フォーマットが増えた

Preview版では、3DモデルはglTF, GLB, FBXフォーマットのみOKでしたが、GA後はSTL、 PLYもサポートされるようになりました。

Dynamics 365 Import Tool

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docs.microsoft.com

厳密にはGuidesのためというわけではないですが、様々なフォーマットの3DモデルをDynamics365で使いやすくするためのツールです。 もしかしたらPreview版の時にもあったのかもしれませんが気づきませんでした。
可能であればGuidesに適応したフォーマットで出力することを推奨していますが、もしもの場合は使うことを検討してもよいと思います。

Microsoft Dynamics 365 Import Tool(プレビュー)は、最大90日間無料で試すことができます。サブスクリプションとしてはDynamics 365 Layoutサブスクリプションに含まれるようです。使用頻度的にも妥当な組み合わせだと思いますが、Guidesだけ使用する場合は注意が必要ですね。

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変換方法についてはローカルでやる方法とクラウドでやる方法があります。

詳しくはここにまとめられてます

docs.microsoft.com

これからHoloLensを試してみたい方へ

HoloLens2も日本に届き始めているようですし、これからHoloLensを始めてみようかなと思う人も増えてくるかと思います。

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製造業との親和性は非常に高いと思ってますが、ビジネス利用を検討する際、このようにひとまずデジタルツインを実現するだけだと結構失敗します。(いろんな人がいろんなところで同じ経験してます)
始めはいろいろと勉強しながら作っていくことになるため、期間の割には大したものは作れません。未経験だと尚更です。

マネジメント層や経営層への見せ方はきちんと考えることが大事かなと思います。逆にxRに興味のある若手は引き込みやすいですね。
自社の強みとかターゲットとしている顧客の規模とか費用対効果とかは意識する必要があります。

コストを考えると、1ユーザあたり月7070円というのは一見高いように見えますが、開発コストをほぼ0に抑えて、数時間後には体験できるものができるというスピード感は大きいんじゃないかと思います。 この辺りはSaaSアプリの強みですね。

最初の一歩としては十分ありだと思います。

個人的な課題(最後に)

f:id:syota-y1989:20191205001901p:plain うちの会社は事業の中でDynamics365をやってるんですが、会社がやってる領域とGuidesの領域が微妙にずれてるんですよね。
この領域の違いをどうやって橋渡ししようか迷ってるところです。コラボできるところがあればコラボしたい。

何はともあれ、マイHoloLens2が早く欲しいところです。